前回、インフラ上場ファンドへの投資について以下のブログで解説しました。
インフラ上場ファンドとは、いわゆる太陽光発電所を運用するファンドのことですが、今回はインフラ上場ファンドの中から、私が保有する「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」について解説します。
目次
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は2017年に設立されたインフラ投資法人です。
この投資法人は再生エネルギー、つまり太陽光発電施設への投資を行い、その運用益をキャッシュフローの原資として安定した分配金を生み出すことを旨として運用を行っています。現在は太陽光発電施設への投資のみを行っています。カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は2019年3月から分配を開始し2021年には3750円の配当を行っています。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人はカナダに本社を置く太陽電池パネルのメーカーから出資を受けています。親会社のカナディアン・ソーラーは太陽光発電パネルで世界でも高いシェアを占めます。直近の出荷量では世界第5位のシェアを持ち、ナスダックにも上場しています。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の保有物件
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人が保有する発電設備は、鹿児島県、大分県。熊本県、長崎県や茨木県、埼玉県、静岡県にあります。発電設備は九州地方に集中していることが特徴です。九州地方は日照時間が長いため発電量に優れているためです。
もし発電量が過剰になり、出力制限がかかってしまった場合、収入への機会損失が起こる可能性がありますが、機会損失が発生する確率とそれによる負の影響はわずかであると、カナディアンソーラーは推定しています。
(2024/12/13 09:37:50時点 Amazon調べ-詳細)
カナディアンソーラーへの投資するメリット
カナディアンソーラーに投資するメリットは以下の通りです。
安定した高配当
カナディアンソーラーは現在施工されている電力の固定買取制度による売電収入により、安定した配当を受け取ることができます。配当利回りは6%を確保しています。これは東証に上場する株式の平均的な配当利回りが3%前後であることを考えると相当な高利回りです。
また、利益の原資が製品の販売などではなく、太陽光発電による売電収入のため、収益が安定しており、そのために配当が非常に安定していることが挙げられます。
配当の増加が期待できる
カナディアンソーラーはこれまで3度、各50円づつの増配を行っています。同社が公表している分配予定では次期も50円の増配を予定しています。今後も増配が継続して期待できるということは、配当利回りの増加、あるいは株価の増加が期待できるということです。
EGS投資として太陽光発電が評価される可能性
ESG投資とは、財務情報だけではなく、環境、社会、ガバナンスに配慮した会社に投資することを言います。
公共性の高い資金を長期で運用する年金基金などの機関投資家はこのEGSを重視する姿勢が特に強くなっています。気候変動に対する評価として、太陽光発電に投資する会社の評価が上がれば、今後資金が太陽光発電ファンドに集まり、株価が上昇する可能性があります。
カナディアンソーラーへの投資への注意点
これまでカナディアンソーラーへの投資のメリットについて紹介しましたが、ここではカナディアンソーラーへの投資の注意点について解説します。
株価の大きな上昇はあまり望めない
カナディアンソーラーは配当の原資を太陽光発電による売電収入で得ています。ファンドは事業規模を順次拡大しており、今後も配当額は増額が見込まれていますが、ベンチャー企業のような爆発的な事業の成長は望むことができません。
よって株価の上昇も配当額の増額と同じペースでしか望めないというところが注意点です。株価の上昇によるキャピタルゲインを狙うより、安定した高配当銘柄として長期保有することに意味がある銘柄です。
(2024/12/13 09:37:52時点 Amazon調べ-詳細)
カナディアンソーラーへの投資のリスク
カナディアンソーラーへの投資リスクは以下のようなものがあります。
インフレリスク
カナディアンソーラーへの投資リスクには、インフレリスクがあります。太陽光発電によって生み出される電気は固定価格で買い取りが行われるため収益が安定している反面、物価が高騰した場合にも売電価格が固定されたままになります。
株式や不動産と異なり、利益が増えたり、家賃を上げたりといったインフレによる増収を期待できず、運営コストだけが値上がりし利益を圧迫することが考えられます。
固定価格買取制度終了後の売電価格下落リスク
現在太陽光で発電した電力はFITという固定価格買取制度により固定した価格で買い取りが行われています。もしこの制度が終了すると販売する電力は市場価格で売却することになります。
今後は太陽光発電所の増設により電力の買取価格は下落すると見込まれています。このような場合、ファンドの収益にどれだけ影響が出るか未知数であるところがリスクであるといえます。
金利上昇リスク
カナディアンソーラーを含めた投資法人は出資者から集めた資金の投資効率を高めるため、
金融機関から融資を受けています。市場金利が上昇すると金利費用が増加するため収益性が低下するリスクがあります。
(2024/12/13 09:37:53時点 Amazon調べ-詳細)
カナディアンソーラーの分配金予測
カナディアンソーラーは今後も一回3,750円の分配金を見込んでおり、分配金は安定しており、尚且つ増額が続いています。
超過利益分配金という区分の分配金が出ていますが、これは減価償却費という実際のキャッシュアウトを伴わない費用分を分配するものですので問題はありません。これは太陽光発電は安い地方の土地の地上に太陽光設備を設置して運営を行うという構造上、原価償却費(土地代が安く設備費の占める割合が大きい)が大きいという特色からくるものです。
(2024/12/13 09:37:54時点 Amazon調べ-詳細)
カナディアンソーラーインフラ投資法人のまとめ
今回はカナディアンソーラーインフラ投資法人について解説しました。
カナディアンソーラーインフラ投資法人をまとめると以下にようになります。
- 約6%の分配金を安定して得られる
- 分配金は増加傾向
- 分配金の原資は売電収入。売電収入はしばらくは安定的
- インフレリスクに注意
- 固定価格買取制度が終了後、利益減少の可能性に注意
固定制度の終了はまだまだ先ですので今後10年間は気にする必要はないと思います。カナディアンソーラーを含むインフラ投資法人などの分配金利回りが高い株式は、値下がりすると買いが入るため高い下値硬直性を持ちます。コロナショックや幾多の岸田ショックでも大きな値下がりは起こりませんでした。
安定配当と流動性を兼ね備えたインフラ上場法人への投資を検討してみてはいかがでしょうか。なお、最終的な投資判断はご自身でお願いいたします。
このブログが皆様の株式投資の参考になれば幸いです。