うつ病を治すには精神支持療法、投薬治療と休息が重要だといわれています。サラリーマンでうつ病と診断された場合、主治医から診断書を発行してもらい、しばらくの間休職し、身体の不調と抑うつ気分が解消されるのを待つ必要があります。
はじめの一か月は体調も芳しくなく調子の悪い日も多いですが、中程度のうつ病の場合、2か月ほど休職すれば体調は寛解してくることが多いです。
体調がおおむね寛解してから復職までの間は、自分自身の付加価値に磨きをかけるゴールデンタイムです。これをぼーっと過ごしてしまうのはとてももったいないです。
本日はうつ病の休職期間の有効な過ごし方について解説します。
目次
うつ病の休職期間にやるべきこと
ここではうつ病の休職期間中にぜひやるべきことを紹介します。休職期間中にやっておくべきことは以下の通りです。
資格の勉強
休職中は時間がありますので資格の勉強をしましょう。おすすめはメンタルヘルスマネジメントやFP技能士、簿記、TOEIC、等です。
会社によっては特定の資格を取得した際現金を支給する資格報奨金という制度を設けているところもあります。また休職中に様々な国家資格を取っておけば今後の転職で有利になりますので休職期間はぜひ資格の勉強と取得に充てるようにしてください。
転職活動
会社を休職しつつ現職の会社に戻る意思がなくなってきたときには転職エージェントに登録して転職活動を開始しましょう。会社に勤務している間は怪しまれずに転職活動をするのはなかなか骨が折れます。ですが休職中は平日に活動できますのでいろいろな会社に面接に行けます。
ですがうつ病で休んでいるのにスーツとビジネスバックでしゃきっとして電車に乗っているのを会社の人に見つかると、あとで煙たい連絡が来ないとも限りませんのでくれぐれも会社の人には見つからないように活動してください。
体力づくり
うつ病で休職し元気が出てきたら、体力づくりをしましょう。特に日ごろできない運動を行うのがいいと思います。まずは家の近所の散歩から初めて少し元気がでてきたらいろいろなことにチャレンジしましょう。運動はうつ病の特効薬と言われています。運動療法として効果が科学的に認められています。
時間があるので山登りや釣り、普段できない遠出などもしてみてはいかがでしょうか。特に自然と触れ合えるスポーツがおすすめです。森林浴の効果として相乗効果として期待できるからです。
旅行
休職中はぜひいろいろなところに旅行に行ってきましょう。日本全国のみならず海外旅行もいいと思います。注意するべきことは2点です。
いつでも会社から連絡できるようにしておくことスーツケースを持って電車を乗っているところを見つからないようにすることです。休職中は2週間に一度程度会社に連絡すればOKですのでその間の時間を使って旅行に行きいろいろな景色をみて、時には温泉につかり、おいしいものを食べるのもいいでしょう。
実家の手伝いや片付け
休職中に元気が出てきた場合には、実家に帰って稼業の手伝いや普段できない片付けをしてみましょう。普段なかなかできない倉庫の片付けなどをすれば、不用品が出てきたりします。それをメルカリで売ったりすればお小遣いが稼げるかもしれません。
ブログビジネス
休職中は時間がありますので、ブログをしてみてはいかがでしょうか。ブログは無料ブログでもできますが、せっかくですから独自ドメインを取り、レンタルサーバーを使ってWordpressというツールを使って本格的にブログを書いてみることをお勧めします。
内容はうつ病やサラリーマンブログでも何でもいいと思います。ブログは備忘録にもなりますが、GoogleアドセンスやASPと連携させることによりアフィリエイトサイトとして作りこめば資産ビジネスとしても作用します。
自立支援医療申請
精神疾患で休職したらまずやるべきことは「自立支援医療」の申請です。自立支援医療とは精神疾患にかかる医療費と処方箋費用の自己負担額を軽減できる制度のことです。
うつ病を代表する精神疾患は寛解するまでに長い時間がかかります。寛解してからも再発予防のために抗不安薬を飲み続ける方もたくさんいらっしゃいます。中には一生飲み続ける方もいます。
定期的な通院、そして薬の服用は長期的に大きな金銭的負担を伴います。自立支援医療を申請すると、精神疾患の治療のための通常3割の通常の医療費の自己負担を1割にまで軽減してもらえます。
自立支援医療で医療費を軽減してもらうには医師に診断書を書いてもらい、自立支援医療を市町村の福祉課で申請する必要があります。まずは主治医に「自立支援医療を申請したい」旨を伝え診断書の作成をお願いしましょう。そして診断書を入手したら必要書類をそろえて市町村の窓口で自立支援医療を申請しましょう。
精神障害者健康福祉手帳の申請
心療内科を受診して半年以上経過しており、症状が寛解しない場合は精神障害者健康福祉手帳の申請ができます。精神障害者健康福祉手帳の申請をしたい旨を主治医に伝えれば医師が診断書を書いてくれます。診断書代は何千円かかかりますが、
- 地下鉄やバスなどの交通機関の優遇
- 障害者控除
- 障害者枠求人の応募
- 生活保護の障害者加算
- 公共施設利用料金の優遇
- 県営住宅への優先入居
- テーマパークの割引
等ここに書ききれないメリットを得ることができます。詳しくは以下の記事を参照ください。
障害年金の申請
心療内科を受診して1年6か月が経過し症状が寛解しない場合は障害年金の申請ができます。障害年金と聞けば四肢の欠損や麻痺などの身体障害を想像しますが、うつ病に代表される精神疾患でも障害年金を受給することができます。障害年金は、
- 障害年金が申請できるだけの年金支払い年数があること
- 障害年金受給要件に該当するだけの障害を負っていること
が支給要件となります。
障害年金は初診から1年6か月が経過した時点を障害認定日とし、その時点から受給する権利が発生します。障害年金申請には、
- 主治医からの診断書
- 年金請求書
- 病歴・就労状況等申立書
- 初診日証明書
を準備する必要があり、申請には手間がかかりますがうつ病で仕事を休職中ならば障害厚生年金3級、もし寛解の見通しが全く立たない状態であれば障害年金2級の障害年金を受給できる可能性があります。
資料準備と作成に時間がかかるので休職中の時間を情報収集、診断書の依頼、資料準備、年金事務所への申請に充てることをお勧めします。
障害年金について詳しい申請方法は以下の記事を参照ください。
資産運用の勉強
休職中は資産運用の勉強のゴールデンタイムです。
- 株式投資
- FX
- 先物取引
- 投資信託
- ソーシャルレンディング
- 仮想通貨
- 投資型クラウドファンディング
- 外国債券
等様々な投資手法を学びましょう。
株式投資
休職中は昼間も自宅に至り、図書館に勉強しに行ったり、自由な時間があります。この時間を利用して株式投資にチャレンジしてみましょう。
日本の株式市場は9時から15時までですので、休職の期間中はトレーディングに持ってこいのタイミングです。リアルタイムに変化する株価の流れを読み取り、スイングトレード(1~2週間周期での投資手法)やデイトレード、銘柄分析等を行いましょう。
フルタイムのサラリーマンはお昼の休憩時間にYahooファイナンスで株価を見るくらいしかできず、注文は夜行っています。ですが休職中の方はリアルタイムに株価を見ながら売買ができるので有利なトレーディングを行うことができるでしょう。
外貨FX
外貨FXとは外貨を証拠金を使ってと引きする外貨取引のことを言います。休職中は外貨FXのトレーディングのゴールデンタイムでもあります。
以前はFXはパソコンの画面にかじりついてトレードするものでしたが現在はスマホトレードがメインです。自宅で調子を整ているとき、復職プログラムのために図書館で課題をこなしているときでもFXはトレードできます。口座を開設していない方は口座を開設しFXトレードにチャレンジしてみてください。
仮想通貨投資
休職中は24時間市況を見れます。仮想通貨をトレードするにはもってこいです。コイン取引所に口座を開設していくらかのお金を入金しまずはビットコインから取引をしてみましょう。
もしネット証券で株式投資をしたり、FXでスイングトレードをしている方なら取引ルールにもすぐに慣れるでしょう。ビットコインの値動きは、リスクオンには買われ、リスクオフには売られ、地政学的リスクが高まったときには買われるといった具合にある程度傾向性があります。
FXで外国為替市場の動向に長く身を置いている方ならビットコインの値動きの傾向もつかみやすいでしょう。
投資用不動産の内覧
休職中は平日の昼間にいろいろな活動ができます。特に私がお勧めするのが投資用不動産の内覧です。収益物件用のポータルサイトから不動産の内覧を申し込み、不動産会社の担当者とともに気になる不動産を回りましょう。内覧した物件が決め手に欠ければ購入しなくても大丈夫です。それでもたくさんの収穫があります。例えば以下の通りです。
- 内覧した物件の感触がつかめる
- 内覧した物件周辺の相場観がわかる
- 不動産屋の担当者との雑談の中でいろいろな情報収集ができる
- 金融機関の融資の動向、地価動向など情報が手に入る
- 非公開物件の情報提供依頼ができる
- 不動産屋とつながりができ、有望な物件情報が優先して回ってくるようになる
等です。もし内覧した物件が気に入れば購入する意思を伝え、休職中に権利移転までの手続きを済ませてしまうというのもアリです。そうすればサラリーマン大家さん、サラリーマン不動産投資家の誕生です。
融資を受けられる金融機関開拓
不動産事業は投資ではなく継続的な収益性がある事業ですので金融機関から融資をうけることができます。銀行や信用金庫や政府系金融機関は平日しか営業をしていませんのでぜひ休職中に金融機関の開拓を行っておくことをお勧めします。
自分が住んでいる地域に支店がある金融機関のリストを作り、そこに順番に電話をかけて不動産投資を行おうと思っている旨を告げ、担当者と顔合わせを行っておきましょう。そして金融機関が不動産事業に対する融資に積極的かどうか、どのような条件で融資が受けられるか、融資を申請する際の資料などについてあらかじめ聞いておくとよいでしょう。
開業届提出
会社が副業OKの場合は副業の個人事業主の開業届を出しておくのもいいと思います。事業所得が赤字の場合は給与所得と相殺でき所得税が安くなりますし、信用の向上にもつながります。また将来独立した場合にもスムーズに事業が進むことになります。
ただし開業届を出すことは副業をしてしまうと会社に認識されてしまう可能性があるため注意が必要です。開業届を出してしまうと万が一会社を退職しても失業保険がもらえなくなるので注意しましょう。
プライベートカンパニー設立
もし副業の所得が多くなり、今後所得税が高くなってしまうことが見通される場合には、休職期間を使ってプライベートカンパニーを設立しましょう。プライベートカンパニーでは設立が簡単な合同会社が適しています。副業が厳格に禁止されている場合は、出資者は自分としながら、代表社員は家族になってもらいましょう。これなら副業禁止規定にも全く接触することはありません。
自分が合同会社の代表社員を務めている場合でも、自分に役員報酬を出さなければ、普通は会社を経営していることがばれることはありません(但し勤務先が積極的に調査をした場合を除く)。もし副業について気になる方は、自分の奥さんや父親、母親に肩書だけの代表社員になってもらい、実務は自分で行うようにすれば全く問題はありません。
休職中やるべきことのまとめ
今回はうつ病や精神疾患、体調不良などで会社の休職を余儀なくされ、調子が出てきた後にやるべきことを紹介しました。人生では様々なことが起こります。まさに「塞翁が馬」です。災いをどのように転じて福となすかがあなたの人生を左右します。
休職はあなたに与えられた充電期間です。充電期間でありながら、この時間は発展のための大きなチャンスです。今後のあなたの発展の礎となる可能性を秘めています。上手に活用しましょう。そして転んでもただでは起きず、何かを得るために動き、したたかに人生を送りましょう。
今回のブログが精神疾患や体調不良に悩む皆様の支え、参考になれば幸いです。