副業をされてる方の疑問に、副業で得た利益は、雑所得となるのか、事業所得となるのか、雑所得と事業所得の違いなになのか?いろいろな疑問があると思います。本日はこの疑問について、整理してみました。
目次
雑所得とは
雑所得とは以下に分類されない所得の事を言います。
- 不動産所得
- 配当所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 利子所得
- 事業所得
雑所得の例
雑所得の例を以下に列記します。
- FXでの収入(先物取引に係る雑所得等として所得税15%と住民税5%)
- ネットショップでの販売収入
- 年金収入
- 印税や講演料 等等
- 海外FXの所得
事業所得とは
事業所得とは、事業として営んだ結果得られる所得です。事業所得は給与所得との損益通算が認められており、雑所得と比較し税制上有利です。事業所得についてその意義自体については一般的な定義を置いていませんが、社会通念上以下とされています。
- 給付の対価が固定化されているかどうか
- 業務に反復継続性があるか
- 独立性があるか
です。また最高裁判所では、以下のように示しています。
事業所得とは、『自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意志と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいう』
サラリーマンが副業を行う場合事業所得となるか?
副業が事業所得となるか、雑所得となるかの判断基準については、明確なものはありませんが、趣味や片手間でやっていてお小遣い程度の収入がある、というのであれば雑所得という枠組みとなります。ですから、サラリーマンが夜間や休日に小説を書いて得た原稿料、モデルの出演料、アクセサリー販売、アフィリエイトも事業所得と判断されることは難しいです。
FXの場合、投入金額により多くの収入が見込める場合がありますが、投機的な側面があり、利益の金額が不安的になるため継続性という面において、雑所得とされることがほとんどです。また、FXの利益は雑所得に分類されますが、「先物取引に係る雑所得等」という枠組みで分離課税となっているため、ほかの所得と合算することができません。
事業所得のメリットとデメリット
事業所得のメリットとデメリットを以下に解説します。
事業所得のメリット
事業所得のメリットは税制優遇です。雑所得にない税制上のメリットがたくさんあります。以下に例を挙げます。
- 青色申告控除を受けられる
- 給与所得との損益通算
- 損失の繰り越しが可能(青色申告をしている方は3年間)
- 少額減価償却の優遇(青色申告の特例 30万円未満の資産を一括で落とせる)
- 専従者給与
事業所得のデメリット
事業所得のデメリットは決算書の作成をしなければならないことです(それだけです)
サラリーマンでも副業を事業所得に認められるのか?
サラリーマンでも副業を事業所得として税務署で認められないのかというと、認められるケースもあります。ですが、この場合、事業と認められるだけの根拠の提示が必要となります。事業規模や収入、投入時間や労力などを説明できるようにしておきましょう。
まとめ
副業を事業所得にして、給与所得と相殺することにより所得税を無税にすることも原理的には不可能ではありません。相当ハードルは高いと思いますが、以下の本に、参考事例が書かれていますので参考にしてみてはいかがでしょうか。但し、税務の判断は税務署が行いますのでそちらの認識はよろしくお願いいたします。