皆さんは銀行や証券会社で外貨預金を進められたことはありませんか?
外貨預金は円預金より高金利で有利な資産運用先だと思う方もいるかもしれませんが、実は、外貨預金は、非常に高い手数料を払わされる極めて損な金融商品です。
本日は外貨預金のデメリットを中心に解説を行います。
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目次
外貨預金とは
外貨預金とは、日本円ではなく外国の貨幣で行う預金のことです。日本円の銀行預金金利は無いに等しいものですが、外国の通貨では日本円よりも高金利の通貨もあり、高い金利を受け取ることが可能です。
また円高時に外貨を買い、円安になってから外貨を日本円に戻すことにより為替差益を狙うことができます。外貨預金にも、円預金と同様に普通預金と定期預金があります。
外貨預金のデメリット
上で申し上げた通り、外貨預金には多くのデメリットがあります。以下に順に説明します。
為替手数料が高額である
外貨預金をするには、日本円の預金を外貨に両替する必要がありますが、その為替手数料が非常に高額です。日系の大手銀行で米ドルを1ドル買うには、1円の手数料がかかります。1ドルを100円で買う場合、1円の手数料を払うと、手数料率は1%にも上ります。
また将来ドル売って円を買う場合にも同様の手数料がかかりますので100円で2円もの手数料を払うことになります。外貨手数料は銀行によって様々です。大手銀行や地銀の為替手数料はほぼ同じです。
流通量が多い米ドルやユーロの手数料率は比較的安いですが、豪ドル、NZドルやカナダドルの手数料率はもっと高くなり、流通性の低いエマージング通貨はさらに高額になります。
外国通貨には高金利通貨もありますが、為替手数料が高額なことにより1年程度の運用ではこの為替手数料分の為替差益や金利収入を得ることができない可能性が高いです。
どうしても外貨預金を行いたい場合は、大手銀行や地銀、信用金庫ではなく、ネットバンクを活用するとよいでしょう。ネットバンクの為替手数料は、外貨を対面販売をしている銀行の為替手数料より安く、大手行の10分の1以下のところもあります。
レバレッジが使えない
外貨預金は外貨FXと違いレバレッジが使えません。外貨投資は株式と比べて変動幅が少ないのでレバレッジを効かせないとなかなか儲かりません。ですから外貨預金は外貨FXと比べて資産効率が悪いです。
買うことしかできない
外貨預金は買うことしかできません。外貨預金で投資をする場合、外貨を買うことしかできず、円高の状態から始めなければ為替差益を得るチャンスはありません。外貨FXの場合は、売り、買いの両方からポジションをとることができるので買いからしか投資を行えない外貨預金は不利な取引であることは間違いありません。
外貨普通預金の利息が少ない
外貨預金の特徴は、外貨普通預金の利息が極めて少ないことです。銀行はインターバンク市場で外貨を運用すれば、一日相当の金利を得ているはずなのですが、外貨を購入し、外貨にて預け入れをしている顧客にはその金利を反映させないのです。
銀行がインターバンク市場から受け取る金利と、顧客に支払う金利差は寝ても入って来る銀行の貴重な収益源となっています。
利息の高い外貨定期預金は途中解約ができない
外貨定期預金はそれなりの金利が提示されますが、残念なことに原則途中解約ができません。外貨定期預金を申し込んでから為替が急激に円高に振れてしまった場合でも、途中解約はできず、ただただ円換算の決算価値が下がっていくのを眺めることしかできません。
利息への税金
外貨預金の利息は、20.315%の税金が源泉分離課税で取られてしまいます。外貨FXで運用するならば、スワップ金利で得られた利益でも20万円までは非課税です。金利収入による利益が20万円を超えない少額(それでも500万円程度必要ですが)の外貨投資を行う場合、外貨預金は税金面でかなり損をします。
預金保護対象外である
外貨預金は預金保護の対象外です。銀行が倒産しても外貨預金は保証されません。外貨FXでは外貨証拠金取引の事業者の自己資金とは完全に分別保管して管理されています。銀行の外貨預金はこの点には注意が必要です。
外貨預金のメリット
ここまで外貨預金のデメリットを解説しましたが、メリットもありますので紹介しておきます。
外貨預金口座を作りやすい
外貨預金を始めるには外貨を預金する口座が必要です。銀行に口座が有れば追加の手続きだけで外貨預金を始めることができます。
外貨の現金をすぐ手に入れられる
外貨FXでは一定の手続きを行わなければ外貨現金を手に入れることができませんが銀行の窓口に行けば、外貨の現金をすぐ手に入れることができます。
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まとめ
どうしても普通銀行で外貨預金を行いたいのであれば、外貨預金をすることを止める者ではないですが、手数料が高く、定期預金にしなければ高金利を享受できない外貨預金を積極的な資産運用として行うメリットはないと断言できます。
外貨預金は、金融リテラシーが足りない情報弱者から手数料をかすめ取るために存在する質の悪いジョークです。
純粋に資産運用や投資として外貨で利益を出したい方は外貨預金ではなく外貨証拠金取引をお勧めします。