最近、労働基準監督署による有名・大手企業への残業未払いの摘発が相次いでいます。JR西日本が労働基準監督署から19億9000万円にも上る残業代を支払う是正勧告があったことも記憶に新しいともいます。

2019年4月1日から労働基準法改正に伴い、違法残業への取り締まりが強化されています。
この法律の施行はこれまでタダ働きしていたサービス残業を取り返す絶好のチャンスです。
本日はサラリーマンの未払い残業とその取り戻し方について解説します。
おすすめの転職エージェントはこちら
目次
残業代が請求できる場合

残業代が請求できるのは、労働基準と就労規則をみて、所定外労働時間と定められている部分です。みなし営業手当がある場合、それと照らし合わせて足りない部分が請求できます。
以前のブログでも紹介ましたが、管理職相当の職位になっていても、企業の経営に参画していなかったり勤務時間を管理されていたり、人事権がない場合、役職手当が少ない場合も残業代を請求することができます。
不払い残業代は、年利6%の金利をつけて遅延損害金を請求することも可能です。
(2025/04/03 00:09:10時点 Amazon調べ-詳細)
残業代を請求するにはまずは法律を知ろう

残業代を請求するには、まず法律を知ることが重要です。2019年4月、労働基準法の改正により残業時間の上限が法律で規制されました。これに伴い労使が締結する36協定の締結も厳しくなっています。
新しい労働基準法について
新しい法律では、時間外労働時間の上限が明確に定められました。残業は原則として月45時間以内となり、年間360時間となります。年間の時間外労働は最大720時間までと上限が設けられ、年間6回まで、45時間の残業上限を超えることが認められています。
これをこえる労働時間を従業員に課した場合は、企業は刑事罰を負うことになり企業の責任者は6か月以下の懲役また30万円以下の罰金が科せられることになりました。
(2025/04/03 00:09:11時点 Amazon調べ-詳細)
残業代の未払いを請求できるケース

残業代を払ってもらえないケースを以下に紹介します。
タイムカードを打刻させてから残業させられる
残業が禁止されているからと、タイムカードをあらかじめ打刻させられ、その後続けて残業をさせられるケースです。上長に指示されずこれを行った場合も、上長は監督不行届として処罰の対象になります。
個人用PCを切らされ、共有PCで残業させられる
タイムカードと類似の事例です。タイムカードではなく、各自に充てがわれたPCにて業務を行いそのPCのタイムログにて勤務管理を行っている場合、PCを切らされた後、共有のPCにて残業をさせられるケースです。
自宅に仕事を持ち帰らされるケース
会社での残業が禁止し、自宅に仕事を持ち帰らせるケースです。業務を行っていることには
違いありませんのでこれは残業となります。
残業代が1時間単位でしか認められず端数を切られるケース
残業時間の管理は、分単位で行割れるべきであり、端数を切ることは原則的に認められていません。
みなし残業のため残業が支払われないケース
みなし残業代としているので残業代は支払われないというケースもあります。みなし残業代として計算される以上の残業を行った場合は、それ以上の残業時間については追加で残業代を請求できます。
管理職だから残業代が支払われいないケース
十分な報酬があり、企業経営に参画しておらず、人事権もない場合、残業代は支払われません。しかし、もしそうではない場合、例えば、待遇が一般社員と変わらない場合などは、「名ばかり管理職」として残業代を請求できます。
年俸制を理由として残業代が支払われないケース
年俸制を理由として残業代が支払われないケースもあります。しかし、年俸制でも基準の労働時間が決められています。年間労働時間が決まっており、労働時間が管理されているならば、時間外労働で発生した残業代は請求できます。
(2025/04/03 00:09:12時点 Amazon調べ-詳細)
残業代を支払わない企業側の手口

残業代を支払わない企業側の言い訳を以下に説明します。
一定時間以上の残業について記録させない
一定時間以上の残業を記録させないなどのルールがある場合、即刻で社内のコンプライアンス通報部門や労働基準監督署に相談するべきです。そしてこのような状況がある場合、自分の実際の労働時間を記録しておきましょう。客観的に判断できる資料を作れない場合、手書きの勤務時間表やエクセルでの勤務時間記録を作っておくことも有効です。
残業は部下が勝手に残業している
残業は部下が勝手にやっており、会社は関知していない、という言い訳。これは業務監督不届となるためこの理由は通用しません。残業をしなければ終わらない業務量があるにも関わらず、これを放置しさらに残業を認めないというのは悪質です。まずは実態労働時間をしっかり記録に取りましょう。
休憩時間をつぶして業務をさせ、残業を避けさせる
労働基準法では6時間以上8時間以内の勤務を行う場合は少なくとも45分の休憩を設けなければならず、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩を取らせなければならないと規定されています。よって休憩時間に休憩させず業務を強いることは違法行為になります。
自宅で仕事をするように仕向ける
業務量からみてやりきれないことを上司が分かり切っているにも関わらず、仕事を持ち帰ることを黙認しているというケースです。これで「本人が勝手にやっている」という風に仕立てるというものです。これは事実上の指揮命令があったとして労働時間に認められる可能性があります。自宅で行った業務時間もしっかり記録を作っていくといいと思います。
始業時間より早く出社させ残業させる
業務終了後の残業を禁止させる代わり、始業時間より早く出社させる、またはそれを黙認するケースです。残業代は終業時間後だけではなく、早出残業も残業として認められます。会社はこれを、本人が勝手に早く来て行っているだけだと主張するかもしれません。ですから、早出残業を行う旨を上司にメールで伝え、その記録を残しつつ業務を行うようにしましょう。
(2025/04/03 00:09:13時点 Amazon調べ-詳細)
未払い残業代の請求方法の手順

未払い残業代の請求方法や注意点、手順について以下に説明します。
勤務時間の分かる証拠を集める
未払い残業代を請求するには残業時間を立証しなくてはなりません。もしあなたがまだたいしょくされていないのなら、
- タイムカード
- シフト表
- 業務日報
- 出退勤表
- 入退場記録
- パソコンへのログオン、ログオフ記録
- メールの送信記録、
- 家族への連絡メール
- 定期の利用明細
などをかき集めてください。できれば紙データで集めておきましょう。パソコン画面のスクリーンショットも印刷しておきましょう。退職後に残業代を請求する際に有利になります。
残業代は、仕事の成果ではなく、労働時間により支払われますので会社はタイムカードを先に押させ、その後残業をさせたり、出退勤記録を改ざんすることもあるかもしれません。そのため、勤務実績を提示できるようできるだけの情報を集めておくことが重要です。
残業代を計算する
証拠が集まったら、残業代を計算氏hます。残業代は分単位の計算が原則です。
未払い残業代の計算方法は以下の通りです。
1時間当たりの賃金額×割増率×残業時間数
です。
1時間当たりの賃金額とは月の支給額÷労働時間です。
家族手当、通勤手当、住宅手当など個人的な事情により支払われるものを省いてください。基本給、職務手当、役職手当は基礎賃金に該当します。また営業手当は基礎賃金に含まれます。
法定外の割増率は1.25倍、休日の場合は1.3倍、一個月の労働時間が60時間を超えた場合は、50%割り増しになります。
固定残業代制やみなし労働時間制の場合
固定残業代制は最低〇〇時間分の残業代が師は割られるということです。40時間を超えても残業代を支払わないとしていることもありますが、規定の残業時間を超えた部分については残業代を請求できます。
(2025/04/03 21:14:25時点 Amazon調べ-詳細)
未払い残業代の請求方法

それでは実際の未払い残業代の請求方法を見ていきましょう。未払い残業代を取り戻す方法としては、
- 任意交渉
- 労働審判
- 訴訟
という選択肢があります。これらを以下に説明します。
任意交渉
任意交渉という方法を選び、弁護士に相談する場合、弁護士は依頼を受けると会社に対し、内容証明郵便を送付して未払い残業代を請求します。これは弁護士を介することで弁護士名で正式に会社に通知を行うとともに残業代の時効を6か月止める働きがあります。
会社がこれに応じ、相応の残業代を支払うことで合意が得られれば未払い残業代を手にすることができます。
労働審判申し立て
任意交渉にて会社が残業代を支払わない場合、労働審判という手続きを行うことができます。労働審判とは調停の一種で、裁判官、労働問題に関する専門家により構成される労働審判委員会が事件を審査、判定するものです。
調停が成立しない場合、訴訟となります。労働審判は、原則として3回以内ので期日で審理が終了するため、比較的早期に調停を行うことにメリットがあります。
訴訟
労働審判でも決着がつかない場合は訴訟となりますが、訴訟手続きは当事者双方が主張を行い立証を行うため、短くても半年、長ければ1年以上の時間がかかります。
(2025/04/03 21:14:26時点 Amazon調べ-詳細)
残業代の時効について

残業代の請求権は、残業代が支払われるべき日から2年間です。これが過ぎてしまうと請求できなくなってしまうので注意が必要です。
(2025/04/03 21:14:27時点 Amazon調べ-詳細)
未払い残業代の相談先

未払い残業代の相談先は以下の通りです。
労働基準監督署の総合労働相談コーナー
労働基準法等に基づき企業への指導を行う機関です。労働基準監督署が行えるのは、行政指導までですので、残業代が確実に戻って来るかの保証はありません。
労働条件相談ほっとライン
厚生労働省が外部委託を行って設置している電話相談窓口です。全国どこからでも無料で相談を受けることができます。夜間や土日祝日でも相談を受け付けています。
弁護士
弁護士は法律全般について相談と対応に応じてくれます。未払い賃金請求の申し立て、代理人も行ってくれます。
社会保険労務士
割増賃金の計算などを行ってくれますが弁護士のように代理人になってくれるわけではありません。
おすすめの転職エージェントはこちら
まとめ

現在は、ブラック企業問題が世間を賑わわせたこともあり、働き方改革に関わる法律改正も相まって残業に関する問題は以前よりもかなり改善されていると思われますが、支払われるべき残業代を払ってもらっていない従業員がいることも確かです。
残業代を受け取るのは賃金労働者の正当な権利ですので、仕方ないと諦めてしまわず、正しい手続きを経て請求を行い、残業代を取り返しましょう。うまくいけば、遅延損害金や付加金も受け取れる可能性があります。
泣き寝入りしてしまわず、未払い残業代は何としても取り戻しましょう。

