世界の新型コロナウイルスの感染者が再度増加傾向にあり、アメリカ、ブラジル、インドなどでも増加に歯止めがかからない状態が続いています。
日本国内でも連日感染者増加のニュースが飛び交い、緊急事態宣言後の患者数を更新しています。このような中で新型コロナウイルスに対するワクチン開発が急がれており、世界の製薬会社がしのぎを削っています。
本日は日本国内の製薬会社の中でNo.1の売上高を誇り、世界でもNo.16の製薬会社として君臨する武田薬品工業株式会社について解説します。
武田薬品工業株式会社とは
武田薬品工業は大阪市と東京都に本社を多く製薬会社です。会社の歴史は古く、1781年に武田長兵衛が薬種商を始めたことに遡ります。
日経平均株価を構成する銘柄でもあります。日本の製薬業界では売上高第一位であり、世界の製薬会社としても最大手の一角を占めます。売上高の構成は、医療品関係が約9割を占めます。主力商品は潰瘍性疾患治療薬と制癌剤です。またビタミン剤「アリナミンシリーズ」でも有名です。
2018年にはアイルランドの製薬会社である「シャイアー」を760億ポンドで買収(6兆8000億円)することに合意しし、2019年に買収手続きを完了しています。これにより世界7位の製薬会社として世界市場に食い入ることになりました。
配当利回りについて
2020年8月14日の武田薬品工業の株価は、3,980円です。単元株は100株ですので、一ロットを購入するには、398,000円が必要です。武田薬品工業が予定している配当金額は、年間180円です。よって配当利回りは、4.52%です。株主優待はありませんが年末にカレンダーが送られてきます。
東証一部上場企業の平均的な配当利回りは1.8~2.0%程度ですので高配当な株式と言えます。実際に武田薬品工業は高配当銘柄として有名です。
株価の判断
PER=67.45倍であり、PBR=1.33倍です。PERとしてみれば現在の株価は割高と言えます。PBRをみても、市場は武田薬品というに対しその清算価値を33%上回る価値があるとみなしていることを表しています。ROEは、3.05%と競合他社と比較し低い水準です。
業績予想
武田薬品工業株式会社の業績予想を以下のサイトから参照しました。
利益率は下がっていますが、営業キャッシュフロー(本業のもうけを示すもの)は順調に確保できていると考えます。
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まとめ
現在、新型コロナウイルスによるリスクオフにより棄損した株価は、現在はまだ完全には回復していない状況です。また利益率が低下しており、ROEも低下しているため、現在の財務諸表から判断すると「買い」か「売り」かの判断で言えば、お勧めできないことになります。
業績は低迷気味ですが、年間配当の180円は今後も確保される予定であり、高配当銘柄としては以前確固たる地位を築いています。
また今後、武田薬品が新型コロナワクチンの開発に成功する可能性、シャイアー買収におけるシナジー効果により利益率が向上する可能性があります。将来の企業価値を想像することは非常に困難ですが、将来の企業価値向上を見据えて考え、配当を享受しつつ企業の成長の恩恵を受けるという考えを持つのであれば、武田薬品工業の株を購入する価値があると考えます。
私は、武田薬品工業がシャイアー買収のシナジーを得て、今後も企業価値を高める努力をしていくと考え、武田薬品工業の株を保有しています。
本日の記事が皆様の株式投資の参考になれば幸いです。