書店では様々なビジネス書が売られています。ベストセラーとなった著作もしばらくしたら消えていきます。その中でロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さんシリーズ」は発刊から今まで変らずに多くの方の注目を集め続けています。
本日は、数あるビジネス書の中でも多くの投資家や事業家が敬愛してやまない「金持ち父さん貧乏父さん」について解説します。
目次
金持ち父さん貧乏父さん
金持ち貧乏父さんは、日系アメリカ人であるロバート・キヨサキが、金持ち父さんと貧乏父さんという二人の人物の考え方の違いを例に出しながらお金の仕組み、ビジネスの考え方を説いて執筆したビジネス書です。
現在では数十か国語に翻訳され全世界では2800万部以上が販売された世界的なベストセラー書籍となっています。
ロバート・キヨサキ
ロバート・キヨサキは日系4世でハワイ出身のアメリカ人です。彼はハイスクールを卒業後ニューヨークの大学へ進学その後海兵隊のパイロットを経てビジネスの世界に飛び込み、
サーファー用財布を販売する会社を立ち上げたことを手始めに不動産投資、ボードゲーム「キャッシュフロー」の考案、ベンチャー投資、金融市場への投資を行っています。
金持ち父さん貧乏父さんが言いたいこと
この本で言いたいことは、キャッシュを生み出すもの、つまり資産となるものに対してお金を使おうといっていることです。
これには自分のスキルアップに対してお金を使うことも含まれています。そうすれば使ったお金は将来より多くのお金になって帰ってくるからです。非常にシンプルな考え方です。
金持ち父さん貧乏父さんでの自宅の扱い
「金持ち父さん貧乏父さん」では、世の中には資産と負債があり、その負債の代表格として「自宅」つまり持ち家が挙げられると言っています。持ち家は購入時に大きな費用が掛かります。
さらに持ち家はお金を生み出すことがないため負債でしかないという考え方です。つまり、キャッシュを生み出すものが資産、キャッシュを持ち出すものは負債という考え方です。
家を持てば出費を強いられることはあっても全くお金をもたらすものではありません。ですから金持ち父さんと貧乏父さんでは持ち家にお金を投入してしまうことを推奨していません。
お金に働かせることが重要
「金持ち父さん貧乏父さん」で繰り返し強調されていることに、「自分がお金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる」方法があります。世の中のほとんどの人、貧乏人やサラリーマンは、みな金のためにアリのように働いて老いていきます。
ですが世の中の金持ちはお金のために労働はしていません。なぜならお金を自分の代わりに働かせているからです。お金に働かせてお金を稼ぐようにするためにはまずはお金について、そしてお金の働かせ方を学ぶ必要があります。
キャッシュフロー・クワドラント
キャッシュフローとはお金の流れのことを指します。金持ち父さん貧乏父さんでは、お金を生み出す方法論を以下の4種類に分類しています。
従業員
従業員は俗にいうサラリーマンです。つまり企業に雇われて定額のお給料をもらい労働を提供するいわゆる賃金労働者です。お金を稼ぐために時間と労働力を提供し続けることによりその対価として定額の報酬をえるというお金の生み出し方をします。
逆にいうと、自分が時間と労働力を提供し続けない限りお金を得ることができないという存在です。倒産リスクを負うことはありませんが解雇されるリスクを帯びます。会社が大きな利益を出しても給料は一定ですが会社の業績が悪化しても安定した給料を得ることができます。
自営業者
自営業者は会社に属さずに個人事業主として営利事業を営む個人です。開業届を出して個人事業主となっている人、フリーランスとして単発で受注する業務を行うこともあります。広義には一人社長で法人を経営している人や、家族で小規模な法人を経営している人も自営業者に含めることができます。
従業員との違いは自身が事業体の主として経営を行っていることであり、ビジネスオーナーや投資家との違いは、自分が主体的に営業活動にかかわって労働を行い利益を得ているということです。自営業者の例としては、農家、経営コンサルタント、士業、開業医、作家、音楽家、プロスポーツ選手、保険外交員などがこれに当たります。
ビジネスオーナー
ビジネスオーナーとはつまりはビジネスの所有者です。広義には自営業者もビジネスオーナーとなりますがビジネスオーナーは自分が考案したシステムによって人が働いてビジネスが回る仕組みをもつ者のことです。
自営業者は自身が直接的に業務に携わり体を動かし事業を運営します。ビジネスオーナーは基本的には経営判断を行ったり、ビジネスの指示をするのはあなたですが、実務は被雇用者である従業員が遂行するところに違いがあります。
経営に携わるという点では自営業者とビジネスオーナーは同じですが、自分の手足を動かさない分ビジネスオーナーは自営業者よりも時間的余裕を持ちます。ビジネスオーナーの例としては、自身が企業し株を保有する企業の経営がこれに当たります。中規模企業、零細企業の社長がこれに当たります。
投資家
投資家は、企業の経営権を所有し、企業の営業活動で得る利益からリターンを受け取るためにリスク資金を投資する人のことを言います。ビジネスオーナーは自身が企業の所有者でありながら、自身で役員や会社代表をして企業経営に直接関わっています。
投資家は企業の経営者を任命しその経営者に経営を委ね、利益という分け前を受け取ります。ビジネスオーナーとの違いは自身が経営に直接的に関与しているか、企業の方向性を定めるための意思決定を行っているかどうかによります。
投資家はビジネスオーナーのように直接的に経営を行わないため、ビジネスオーナーよりもさらに多くの時間的余裕を持つことが特徴です。
金持ち父さん・貧乏父さんから学べること
金持ち父さん・貧乏父さんから学べることはたくさんありますが、ここではそれらのうち代表的なものを紹介します。金持ち父さん・貧乏父さんから学べることは以下の通りです。
お金に働いてもらう仕組みを作ることが大事
金持ち父さん・貧乏父さんから学べることの筆頭にあげるべきことはやはりお金に働いてもらう仕組みを作ることの大事さです。企業に雇用され汗水たらして賃金労働をしても得られる収入は所詮知れています。
企業に雇用されて労働する賃金労働者が受け取る賃金は、自身が生み出す付加価値のおおよそ30%程度といわれています。残りは会社の内部留保と、会社の所有者たる株主に配当として支払われます。
賃金労働で資産を形成するには無理があります。なぜなら人間が持続的に労働に費やせる時間は有限だからです。ですが、お金を働かせてお金にお金を稼いでもらうようにすれば、労働時間の概念を超越することができます。
お金がを増やすだけで、お金が稼いでくれるお金の金額は増えます。ですから労働にとらわれず、お金を動かす、お金にお金を稼がせる仕組みを作ることが大事です。これが金持ち父さん・貧乏父さんを読むことにより学べる最も大事な概念です。
労働より資産が重要
金持ち父さん・貧乏父さんから学べることは上記のほかに、労働よりも資産が重要であるということです。労働が美徳とされる価値観がはびこる社会ではこの考え方は否定されがちですが、現実的に世界を支配する資本主義の社会では資産の多いほうが有利にゲームを展開できます。
労働は一単位働いても一単位しか対価をもらうことはできません。資産は少ない間は資産から得られる余剰はわずかですが、資産は単位が大きくなってもそれを管理する手間はそれほど変わらずに余剰は資産の規模に合わせて比例して増えます。労働よりも資産が重要であるというのはこれらの状況を考えると明らかです。
無知であることの愚かさをする
金持ち父さん・貧乏父さんでは、金融リテラシー、金融インテリジェンスというような金融と資産形成の知識を知らないこと、これらに対して無知であることの愚かさを知ることができます。
お金の勉強は学校では家計という内容で家庭科の授業の中ですこしだけ教えてもらえるだけで積極的に資産を増やす、資産形成を行うための知識、知恵を教えてくれることはありません。
商業高校の商業科でも簿記や秘書に関する実務を授業で習っても、資産形成と経営について学ぶ機会はすくないでしょう。頭の良い人間、知識のある人間は、無知で愚かな人間を探して社会をさまよい、狙いを見つければ食らいつきます。
無知であることはこれらの人間の餌食になることと等しいです。金持ち父さん・貧乏父さんは「知らないこと」の愚かさ、恐ろしさを教えてくれます。
お金に立ち向かう勇気が大事
金持ち父さん・貧乏父さんはお金を恐れず、お金を稼ぐことに立ち向かうことの大事さを教えてくれます。お金が無くなったらどうしよう、と呆然を不安感を持ちながらわずかばかりの報酬に目がくらみ疑似的な安定に甘んじる、そのような人生にはあまり価値がないことが、この本には書かれています。
人生スキルを身に着ける重要性
人生スキルを磨くことは重要です。金持ち父さんと貧乏父さんでも人生スキルを学ぶことの重要性が説かれてます。それはつまり世の中をうまく渡り歩くテクニックです。要領よく、人の顔色を見ながら、人当たりや人間性を磨き、うまく泳ぐ技術、これはとても重要です。
情熱の重要性
成功に大事なものは知識や経験もありますが、情熱は大事です。ビジネスやスポーツの成功者に共通していることは、情熱があるということです。
情熱があるからこそ何万時間の時間を投下しても飽きずへこたれずに続けることができストレスやプレッシャーをはねのけることができます。成功と継続の原動力、それは情熱であるとを金持ち父さん・貧乏父さんは語っています。
継続は力なり
ビジネスに限らず成功するためには、運も大切ですが継続が大事です。ビジネスは成長させることができますが、成長には時間が必要です。時間をかけるということは継続して取り組むことが必要となります。
ネットワークの構築の重要性
ビジネスオーナーが一人でビジネスをしてもやれることは限られています。ですがビジネスオーナーは自身の業務を遂行するにあたりそれをサポートしてくれるチームを構築します。
このチームを有効活用すること、そしてお金を生み出すネットワークを構築することが大事です。
お金の流れ
金持ち父さん・貧乏父さんではキャッシュフロー、つまりお金の流れを学ぶことができます。お金は出ていくものと入ってくるものがあります。
出ていくお金より入ってくるお金のほうが多くなればお金は貯まります。お金を自身にとどめさせる方法はお金を勉強してこそついてきます。それがファイナンシャルインテリジェンスやファイナンシャルリテラシーというものです。
資産と負債の違い
金持ち父さん貧乏父さんでは、資産と負債についての概念が書かれています。家や車は一見資産に楊に見えてもランニングコストがかかり実際には負債となり足かせとなる、逆に本当の資産は金を運んできてくれるものであるという考え方を教えてくれます。
法人設立と節税
資産を一定以上の形成するためには個人事業主であるよりも法人を設立し経費を有効に使って節税することが大事です。会社勤めのサラリーマンは税金を払った後のお金で生活をしますが、法人は経費を使ったあとの利益に対して課税されます。この概念と経費を有効に活用することの重要性を学ぶことができます。
金持ち父さん・貧乏父さんのまとめ
今回はおすすめ本として金持ち父さん・貧乏父さんを紹介しました。
金持ち父さん・貧乏父さんは普通の人が資産を形成するための考え方を学ぶことができる超お勧めの本です。私も金持ち父さん貧乏父さんに影響をうけて20代で投資を始めました。
豊かになりたいけどどうしていいかわからない、サラリーマンをやっているけどこのままでは何も変わらない気がする、という漠然としたうっぷんを抱えて生活している人にとっては読んで損はありません。
この本を読めば、生家が金持ちではなく、学校の成績がいいわけでもなく、才能がなくても
学びを続けること、継続すること、情熱を持つことで成功し豊かな生活を送れる自信につながると思います。
自分の時間と労力を切り売りして小銭を稼ぐ商売、皆さんそろそろ終わりにしませんか。そしてその終わりのないラットレースから抜け出そうとは思いませんか?
そのためにはまずは元手を作って投資をし、資産を拡大してそれを続けることが大事です。そして金融リテラシーを学び続け、リターンに見合うリスクに向き合ることが重要です。
金持ち父さん・貧乏父さんを読み、その教えを実践すればあなたの人生は必ずいい方向に向かいます。ぜひ騙されたと思って一読してみてください。そしてそれを実践してください。そしてラットレースから抜け出して楽しい人生を送りましょう。